俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
神童としてガーディアンと契約するには、お互いの『名前』の認識が必須なのである。
この、名前の交換が……契約の証。
覚悟を決めて名を名乗ると、光の向こうからうふふと笑い声がした。
《なずな……良い名前ね?》
すると、私たちの周りを漂っていた光の帯が、更に輝きを強く放っていく。
それとは逆に、人影だった目の前の少女の姿が徐々に露わになっていった。
光に透けると紅みを見せる、腰まである長さの艶々としたストレートの黒髪。
オーガンジーをあしらった、中華風というのか洋風というのか、どちらともいえる天界特有のデザインの華美な朱色のドレス。
赤みがかった茶色の瞳はパッチリと大きく、まさに『美しいお姫様』だ。
その大きな瞳と目が合った時に、私の頭の中に、とある情報がふわっと入り込んでくる。
「あ……」
《そう。それが、私の名前。私の名前を呼んで?……そして、力を解放して》
「力を…?」
《貴女ならわかるでしょ?》
美しいお姫様は、ツンとした不敵な笑みを浮かべる。気が強そうだ。