俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
いや、力の解放の仕方はわかるけどさ。……今まで、親父のそばでガーディアンの力の解放を何度も見てきたんだ。
そして今、ここで何が出来るか、何をするべきかも……もうわかる。
こんな呑気に光に包まれてるけど、剣軌が徐々に魔力に体を蝕まれ魔族化しつつあるという、一刻の猶予も争う事態なのだ。
《さあ……》
……出来る。私ならやれる。
光は一層輝きを増しては、再び私の視界を飲み込んだ。
私のガーディアンとなった彼女の不敵な笑みを残して。
《……さあ、私の名前をちゃんと呼んで?》
「【蓮華緊那羅】……」
光が去って、視界が開けてくる。
そこはもう、光と少女ではない。先程の薄暗い廃墟のライブハウス。
そして目の前には……二人が、いる。
お互いの魔力の圧が膨張して強く押し合っているようで、室内は息苦しい。
剣軌の魔族化はまだ右腕に留まっている。あれからさほど時間は経っていないようだ。
……まだ、間に合う。
意識が完全にこっちの世界に戻ってきた私は、すぐさま取るべき行動に移す。