俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
指で術印を結ぶと、ガーディアンの証である黄金の帯【神帯】が、腕に絡み付くようにふわりと現れた。
そして、魔力が膨張し一戦交える寸前の剣軌を見据える。
「……剣軌ぃぃぃぃっ!」
張り裂けるような大声で呼び掛けて、注意を引く。
その瞬間の隙を狙うつもりで。
案の定、剣軌は反射的にこっちに振り向く。
私の姿を見るなり、目を見開いていた。
「……な、なずな?それ」
「やめろっつってんだから、やめろぉぉぉぉっ!……金色の華・薄紅の刃…」
言霊の呪を唱えると、両腕の黄金の帯状のオーラが、室内中を埋め尽くす勢いで拡がる。
そして、その姿を変えて、あちこちに金色の華を作り出した。
無数の金色の蓮の華が、埋め尽くされて、室内はまるで金色のお花畑だ。
……これから、剣軌に魔力分解の術式である【相殺】を放つ。
今の剣軌は半人半魔状態。きっと元に戻せる。助けられる。
たった今、親父から譲り受けた神術を使う権利。ここぞとばかりに使ってやる!
今までとは違う力の流れ、神力が両腕中心に充填されているのがわかる。
許容上限に達したのを感じて、降り落ちてきた技の『名前』を口にした。
「緊那羅『相殺』…【無双華】!」