俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
私の声に反応するかのように、金色の蓮の華は、パンッ!と一斉に弾ける。
一瞬で、剣軌らを含む部屋全体を金色の光が飲み込むように包んでいった。
弾けた蓮の花弁がハラハラと舞って落ちる。静かに降り積もる雪のように。
まるで、金色の雪…。
「こっ、これは……」
降り落ちてくる無数の花弁を見上げながら、剣軌は目を丸くしている。
魔族化しつつあった右腕は蒸気を発していたが……黒い鱗は全て消え去り、元の人肌に戻っていた。
私の放った【相殺】で魔力が分解されたのだ。
「剣軌……」
「なずな、どうして?!何でおまえが神力の術式を?!……それ【神帯】じゃないか?!何で……」
「……何してんだよ!バカヤロー!」
剣軌の疑問を遮って、私は一言吠えた。
怒りをぶつけると体が震える。安堵と思い出した恐怖でもあった。
「私はもう……嫌なんだからな!目の前から家族がいなくなるのは!」
怒鳴って吠えての私を見て、剣軌はらしくなくキョトンとしている。
言葉も出てこないほどに。
そこを畳み掛けるように、私は自分の思いの程をぶつけた。