俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「ママも故郷に帰って他の人と結婚して、親父もあんなだし……なのに、おまえまでいなくなったら、どうしたらいいんだよ!私は一人か!」
「……」
「家族がみんないなくなって一人になるぐらいなら、一族とか存続とかどうでもいいんだよ私は!」
「それはダメだ。没落なんてとんでもない」
「……なら、無茶なことするなよ!死ぬ方がとんでもないだろうが!」
《死ぬな》
……三年前、この一言を合言葉に戦っていた。
当時はピンとこなかったけど、今ならその意味がわかる。
命を犠牲にして得る勝利なんて、勝利ではないのだ。
一族の存続も、私一人じゃ意味がない。親父の志を共に受けた、この兄弟子がいなけりゃ……。
「ひ、一人にしないで……私を置いて死ぬな!」
あまりにも怒りすぎて涙が出そうになり、熱くなった目を伏せる。
ううぅぅ。涙は絶対見せないぞ。毒のひとつやふたつ吐かれるからな。
すると、剣軌の長いため息が聞こえてきた。
「本当に……甘ったれてるね」
「うるさい!」
「……ごめん」
その時、頭に手をポンと乗せられる。
手の温もりがふわっと暖かかった。