俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
これで、一件落着。……では、なかった。
「……うああああぁぁぁっ!!」
ホッとしたのも束の間。キリキリとした削られるような悲鳴が突然上がって、我に返る。
何かと思い、その方向に目をやった。
……が。
元に戻った剣軌と並んで、その光景を目にして唖然とする。
「体が!……僕の黒い翼と魔力がぁぁっ!ああああぁぁぁっ!……何をやってくれてんだぁぁぁ!」
そこには、自分の体を自分で抱き抱えながら悲痛に叫び、地をゴロゴロと転がってのたうち回る、リグ・ヴェーダの姿が……。
痛みに悶えるようなうめき声もあげていた。
そんなヤツの身体からは、魔力が微塵も感じられない。
背中の黒い翼も綺麗サッパリ消え去っている。
「あっ……」
「おまえの【相殺】に巻き込まれたみたいだな。全身の魔力が一気に分解されたんだ。そりゃ体も痛むだろ」
「ま、マジか……」
【相殺】の術式は二通りある。
標的を定めて術陣を敷き、確実に仕留める『一点集中型』の術式。
標的が複数だったり、大気中に漂う魔力をも全て分解させる『広範囲型』。