俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
神威さんの【疾風迅雷】や、哲太くんの【蛇卍】は、一点集中型で。
豹牙の【大聖求経】や……今、私の放った【無双華】は、広範囲型である。
つまり……剣軌相手に放った私の【相殺】は、その広範囲型だった故に。
標的とした剣軌だけではなく、周りの魔力をも巻き込んで分解した。
リグ・ヴェーダは、私の【相殺】に巻き込まれて、魔力を分解され、魔力を失ってしまった。
半人半魔契約が、【相殺】によって無効となり、ただの人間へと戻ってしまった……。
巻き込み事故です。
(う、嘘っ……)
まさかの展開に、動揺を隠しきれない。
だって……だって、これを成し遂げるために、私たち陰陽師や神童の仲間たち、拓狼さんら警察は、汗水と血を流してリグ・ヴェーダを必死に追いかけてきたのに。
こんな予期せぬ展開(というかどうでもよかった。少し忘れてた)で、敵将撃破というミッション達成とか、ある?
不意打ちだぞ?……ないだろ!
「はっ……ははっ。……あははははっ!」
ここで剣軌が再び、高笑いを始めた。
体を反らして、大爆笑なんかしちゃってる。
……何がおかしい!