俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「……なぁーんだ。手をかけてギタギタに殺すよりも、こっちの方が屈辱だったみたいだな?リグ・ヴェーダ」
剣軌の細めた視線の先は、今もなお痛みに悶えて地を這うリグ・ヴェーダに向けられている。
リグ・ヴェーダは、未だ私たちに見せたことのないような怨恨の表情で、その目付きから私たちに殺気を飛ばしていた。
肉をも抉りそうな勢いで、激しくこっちを睨んでいる。
「魔力で自らの矜持を保っていたのか?だが、魔力を失ったおまえは、ただの人間だ。……まさか、こっちのやり方の方が復讐に相応しかったとはね。おまえの苦痛に歪むその顔が見たかったよ」
「ふっ、ふざけるなよぉぉぉっ!何故、何故お嬢が急に神童になるんだ!そんなご都合主義あってたまるかぁぁっ!くそっ、くそぉぉぉっ!」
リグ・ヴェーダ、キャラ崩れたな。
……ではない!私だって、何故こうなったのか、誰かに教えて貰いたいものだ。
何故、こうも当主・神童継承の儀式が始まったのか。
何故、親父が急に意識を取り戻しているのか。
だが、そんな疑問を持ったのは私だけではない。
「……というか、何で急になずなが神童に?!何でこんなところで継承の儀が始まる?!優さんの身に何がっ……なずな!」
「わ、わかんない!わかんない!」