俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
そんな急に質問責めで詰め寄られても困る。
本当に何故こうなったのかがわからないのだ。
わかってるのは、親父の身に変化があった、ということ……。
だとしたら、いつまでもこんなところでウダウダやってる場合じゃないということに、ハッと気付く。
「剣軌、親父のところに」
「もちろんだ。あののたうち回ってるアホカス人間は放っておく」
「……」
一言多いよ。
そうして私たちは親父のもとへと向かうため、足を踏み出そうとした。
……だが、話はそこで簡単に終わらなかったのである。
(……ん?)
そこで、急に漂ってきた違和感に足を止めざるを得なかった。
私と同じように感じたのか、隣の剣軌も私とタイミングを同じにして足を止めている。
……背中から、押し寄せてくる強く鋭い魔力に。
魔力、何でだ?
さっき、ここらの魔力を私が全て【相殺】で分解したはずなのに?何故?
「あー……お嬢さんが【相殺】するもんだから、結界壊れちゃったよ?」
ただの人間となった子憎たらしいヤツの子憎たらしい声が聞こえる。
恐る恐る振り返ると……そこは、想定の範囲外だった。