俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「……なっ!」
何だあれは!と、最後まで言葉が出てこなかった。
再び、息が詰まりそうな程の濃度の高い魔力に押し潰されそうになる。
それは、ヤツのいたステージ上から、うようよと漂ってきた。
ステージ上にポツンと置いてある、バレーボールぐらいの大きさの、六角柱状の結晶が連なる……水晶だ。
無色透明の物体のはずなのに、放っているオーラはドス黒い濃度の濃い魔力。
尋常じゃない波動の流れだ。
それは何だ?と、眉を顰めていたが、勘の鋭い剣軌は気付いたようだった。
「……まさか!それは、水晶鬼の核か?!」
「え?!」
な、何だって……あの色鬼のボス、高位魔族【水晶鬼】の核?
って、魔界から色鬼モブ連中と共に持ち出してきたという、あれか?
伶士に与えて、水晶鬼を復活させるつもりだったという、あれ?!
痛みに悶えて苦痛表情を浮かべながらも、ヤツはニンマリと笑う。
「……だから。奥の手はあるって言ったでしょ?」