俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
……ひょっとして、伶士のことをまだ諦めていないのか?
機会を伺っているのか?
だなんて、伶士の身の変化があったことなど知る由もない私は、『ヤツの目的は何か』と推測をぐるぐると頭に巡らせる。
だが、隣の剣軌は、事の状況を涼しい顔で見守っていた。ある程度の事を理解しているかのように。
勘が鋭い上に察しが良いらしいのか。
「水晶鬼の『核』、まだ持ってたの?もう適した器が見つからないんだから、捨て置けば良かったのに」
ふんと鼻で笑って、体を起こしかけたリグ・ヴェーダを不敵な視線で一瞥する。
敵に対する小馬鹿にしたような物言いは、全然顕在だった。
適した器、か。
確かに、伶士のあの膨大な霊力量を全て魔力に置き換えられたのなら、高位魔族レベルの『核』にも身体は耐えられる。
しかし、そんなのそうそういないだろう。
あのレベルの霊力量を持ってるフツーの人間は、大体が神童になっている。
伶士は『夢殿』という聖域管轄の力を持ってるからああなんだ。
すると、今度はリグ・ヴェーダが「あははははっ!」と高笑いをする。
っーか、何がおかしい。二人の高笑い合戦かよ。