俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
よろよろと立ち上がるリグ・ヴェーダは、私らに背を向けた。
【相殺】のダメージが消えないのか、気持ち足を引き摺っている。
その足が向かっているのは……ステージ上、悍ましい魔力を大放出中の『核』の方だ。
「……お、おい!」
思わず、引き留める声をあげてしまう。
今のリグ・ヴェーダは、魔力を持たないただの人間だ。
フツーの人間がその魔力量に当たると、ダメージが大きく、死に至ることも……!
「……本当は、僕が『器』になろうと思っていたんだ」
足を引き摺り、『核』の方へと徐々に身を進めながらも、とんでもない爆弾発言をしてきた。
その事実に、声も出せずにギョッとする。
のは、私だけのようで。
剣軌は冷静にヤツの背中を見つめていた。
「なるほど、やはりね……」
「……人間に戻って警察に逮捕されんのとか無理だよ。散々罪重ねて殺人まで犯しといて、元の生活?一生ブタ箱?……っていうか、魔力も無いまま人間で一生を終えることがあり得ない」
そして、私の方を見る。
目が合うと、警戒を強めないわけにはいかなかった。