俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

だが、半分姿を失ったとしても、放つ魔力の量は変わっていない。

『核』はまだ、生きている。



「……惜しかったね?お嬢さん。この一か月、この『核』は散々魔力高めてたんだ。禁呪ごときに破壊されるタマじゃないよ」



そう言って再び、ヤツは私をチラリと見た。

不気味にニヤリと笑い、私の力不足を嘲笑うかのよう。



「……さっさと殺してくれれば良かったのに。だから、こうなるんだよ」

「まっ……待て!」

「負い目を背負ったまま、生きてられるか」

「なっ……」



私を一瞬混惑させたその言葉を残して、ヤツはまた私らに背を向ける。

そして、またしても。

姿が半分になってもまだ魔力を放つ『核』の方へと身を投じた。



(……あぁっ!)



鉱物から発する黒く蠢く魔力が人間の匂いに反応したのか、黒い帯となって一斉にヤツの体を包み込む。

降って沸いてきた獲物を逃がさんとばかりに、ヤツの四肢全身を捕らえていた。

……しまった!

このままでは、リグ・ヴェーダは水晶鬼の『核』に取り込まれて食われてしまう!
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