俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
玲於奈も、先程の剣軌同様、ヤツの顔を覗き込んでは同様のことを口にしたのだ。
「……随分幸せそうな顔デスネ」
「……」
「……これはこれで良かったのデショウ」
「え?」
「これが、リグ・ヴェーダのお望みだったのでショウね。目を覚ました優サンから聞くまではワカリマセンでした」
「へ……」
これがリグ・ヴェーダの望み?!
この、『死』という結果が?!
「彼もチキンだったということデス」
「って、どういうこと?!優さんからきいたって……?!」
そこで、呑気な会話をしていた私と玲於奈の間に剣軌が突っ込んでくる。
的確ナイスツッコミとも言うべきか。
……いやいや、そうではない。
玲於奈のそのさりげない会話は、この不可解な状況を理解しているということを示していた。
「おっと、そうデシタ。アナタ達、こうしてはいられまセンよ?」
そして、私達は衝撃の一言を告げられる。
「……優サンが、目を覚ましてマスよ?」
「えぇっ……!」
「って、何で?!何でそんなことが!」
予想外の事態に狼狽しかける私と剣軌。
それを見て、玲於奈は「あはは…」と苦笑いしている。