俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

それからの俺は、学校に行くこともなく、荒れ果てた家の中で一人、そんな自問自答を繰り返す。

何故、俺は生きているのだと。



父は自分のことすらままならないようで、俺のことを構っている場合ではない。

もちろん、食事だって与えられない。

口に出来るものは、やがて水道から出る水のみとなった。

それでも耐えられなくなったら、コンビニやスーパーで食料を万引きしたり、隙をみて他人のカバンから財布を抜いて金を得たりして、飢えを凌ぐ。

自分より弱者と思われる子供からカツアゲをしたこともあった。

家にいると、たまに父親と顔を合わせるが、罵倒どころか……俺とは目を合わさない。まるでいないようなもんだ。

なのに、母の名前を叫んでモノに八つ当たりして暴れる姿はなんとも切ない。

罵倒なあの時一回きりだけ。

何故、責め続けないのかという中途半端な自分の立場が腹立たしくなる。

なので、親父が家にいる時は帰らない。

公園で寝泊まりを続けた日々もあった。

言葉巧みに独居老人の家に上がり込んで、数日暮らしたこともある。飯を食わせて貰って小遣いも貰った挙句、タンス預金は気付かれないように丸ごと頂いて逃げる。

偽名を使い、逃げるたびに身の周りの特徴を変えていたため、警察に追われることはなかった。

そんな日々が何年も続いた。

< 360 / 515 >

この作品をシェア

pagetop