俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
父のいる家に帰れず、外をほっつき歩いていると、やがて『顔見知り』というものがちらほらと出来てくる。
その中には、俺と同じく『誤ち』を犯し、人の道を外れて生きているヤツもいた。
その一人が、『悪魔の力で人を殺せる力を手に入れた』とイカれた発言をする。
その力で、憎たらしい連中を全員殺してきた。最近、近辺で一家惨殺事件があった。その犯人は俺だ、とも。
半信半疑の俺たちに『人を殺しても警察に絶対捕まらないぞ?実戦して見せてやる』と、実際に見せられた時には、驚いた。
そいつの体はアニメに出てくるような怪物へと変貌し、手から光線を出して何の関係もない通行人の体を突き破って殺した。
この世界では立証し得ない力、だから警察には捕まらない。
この力は、本物だ。
こんな日陰の状況から抜け出したい、奪われてばかりの俺たちは、すぐにその力を得た。
悪魔……魔族に体の一部を売り飛ばして、代わりにその殺人能力を手に入れる。
自分も、魔族になる。
そして、俺はあの黒い翼を手に入れたのだった。