俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
それから、同じく魔族の力を手に入れた『顔見知り』の奴らと、まず殺すべき者を殺しに行く。
同伴した顔見知りとは、俺と同じ頃の少女だった。
彼女は父親に長年性的虐待を加えられていたそうだ。ふとしたきっかけで、死にもの狂いで逃げてきたとのこと。
自分の姉のもしもの未来と被って、意識せずにはいられない存在だった。
俺は、得た魔力で、見るに耐えなかった親父を心臓麻痺にして静かに殺す。
彼女は、自分を苦しめた家族のいる家を魔力で丸ごと燃やしてしまった。
『……こんな世界、一緒に壊して消そう?』
赤黒い炎と黒い煙が轟々と立ち昇る、燃える家を見上げて彼女は呟く。
下ろしていた左手に、そっと手が重ねられた。
『何も無くなった世界で、二人で過ごしたい。ただ、二人で肩を寄せて』
そうだ……。
生きている負い目となり、自分を苦しめるものは、全て壊して。
何も無い世界で、堂々と太陽の光を浴びて。
君と、生きていたい。
俺たちの目的は、ただそれだけだった。
だが、そんな目論み、簡単に許されるはずもなく、あの手この手で立ち塞がってくる奴が現れた。