俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

こっちはこっちで、自分の目的を達成するために、奴らへの対抗手段として『人間ながらに魔力を持つ』という同志を増やす。

やがて、そんな俺たちの対立は激しくなり、まるで戦争となった。

だが、向こうも人に仇なす『罪』を重ね続ける俺たちを排除しようと必死なんだろう。

先の二人は、魔力を奪い、元の人間に戻すという【相殺】という恐ろしい術を持っていた。

その二人は、まだ若者である俺たちを改心させるべく、説得交渉に臨んできたが……そんなもの、聞いていられるか。



《人間とは正しくなれない生き物だよ》



……そんな台詞で、俺たちを蔑めるな!

俺たちが、そんな一言でごめんなさいって言うと思ったか?!

偽善者ぶって手を差し伸べるな。

俺たちは強い。弱者では無くなったんだ。

俺たちは……可哀想じゃないんだ!



説得交渉に臨んできた先の忌々しい二人は、俺たちの手で処分した。その結果は、彼らを慕う者らの戦意に火を着けた。

日に日に激化していく俺たちの戦い。



そんな戦乱の中、彼女は命を落とす。

目的が達成される前に、俺を置いて死んでしまったのだ。
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