俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

(あぁ……)



『…リグ・ヴェーダあぁぁっ!…おまえだけは私が殺る!』



……あぁ、心地よいよ。その殺意が。

俺のことが、憎くて憎くてたまらないって伝わってくる。

昔は、誰一人面と向かってぶつけてこなかった感情。

ぶつけられてこんなにもスッキリするとは思わなかった。



『言われなくたって、殺しに行くからな』



そうだ、早く殺しに来い。

生きている負い目に耐えられなくて、痛みから逃げるかのように罪を重ねた俺を。

早く死にたいのに、自分で死ぬ勇気もない、他力本願のこの俺を。

さあ、早く。



彼女が待っている地獄へと、連れてってくれ。






(………)





フルスピードで頭に駆け巡る、今までの俺の歴史。

これは走馬灯というヤツだ。

俺は……死ぬのか。死ねるのか。



どこにいるのかわからないし、生きているのか死んでいるのかもわからない、なんとも言えないこの感覚。

目を開けているのか、閉じているのかわからない、そんな俺の前に……一人の男性が現れた。



(あれは……)



忘れもしない、眼鏡にスーツの男。

俺たちの手にかかり、命を落とした夜薙和羅だ。
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