俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「美奈人、泣かないで」
そんな美奈人におじさんはゆっくりと手を伸ばす。すっかり痩せ細って、皮と骨だけになった手を。
「大丈夫。美奈人が立派な魔具師になるのを祈ってるから。その力で、これからもみんなを助けてね……?」
「お、おう」
「あと劉人が変なことしないように見張ってて」
「え。お師匠さん、変なことしてるかな」
「してるよ」
「えー」
「……ったく、何の会話してんだ何の!弓削先生どう考えてもアブネーだろがよ!我が息子よぉぉ!もう弓削先生んち行かせないよ!」
「えー!それ困る!」
二人の呑気な会話に、お母さんがイラッとしながら突っ込んでしまったようだ。
これがいつもの会話なのか、おじさんは微笑ましく「あはは」と笑っていた。
おじさんの笑顔を見ると……ホッとする。
「……ゆずら。御館様と総本山のみんなを頼んだよ。悠楓(はるか)のことも……」
「わかってるっつーの。おまえに言われなくとも」
「そう言うと思った」
そ、そういや。美奈人の母は、陰陽師なんだっけ。
総本山関係者。身の程がバレないようにしなくては、と背筋が伸びる。