俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
パパ太夫、号泣だ。
おじさんも「ごめんね、ごめんね?心配かけて……」とパパ太夫を宥めている。
ヤクザの木嶋さんは、依然フリーズ状態で口を開けたまま立ち尽くしている。
そして、口を開いたと思ったら。
「す、優……俺の見舞いの品のエロ本、読んだか?」
「こんな時にエロ本読めるかこのクソヤクザぁぁぁっ!」
パパ太夫の怒号が飛んできた。
木嶋さんは、余程混乱しているらしい。混乱のあまり、あっちの世界に少し足を踏み入れているようだ。
だが、しかし。
「さっき目が覚めたばかりだから読んでない」
「そ、そ、そうか!じゃあ読め!な?な?」
「……今それどころじゃないわぁっ!数年ぶりの奇跡の再会が、エロ本?!……相変わらずだねあんたらぁぁっ!ま、まさか遺言がエロ本じゃないだろうねぇっ?!優、あんたの一生、それで締め括ってもいいのかいぃっ!」
パパ太夫、更に怒る怒る。
その様子を見て、呑気におどけて笑うおじさんと木嶋さん。
このやり取り、関係性が昔からこう続いていたんだろうなと思わせるひとときだ。