俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「というか、ここで躓いたって困るでしょ。三年生はもう残り少ないんだから」
「おー。取り敢えずインターハイ行きたいなー」
「……」
…そんな、海に行きたいみたいな風に言われても。頑張って下さいよ、先輩。
荷物を持って、みんなでバラバラとそこら辺の芝生の上に集合する。一息ついてドカッと座り込むヤツもいた。
恐らく、これから学校に戻って解散だろうか。
何となく辺りを見回す。
観客の入れ替えで、人がまばらに行き交う光景を眺めていると、偶然にも身内の姿を発見してしまった。
(…おっ)
なずなだ。
私服姿で、忠晴と一緒に歩いている。
……今日、忠晴と試合を見に来てくれるって言ってたからな。
なずなはこの一週間、驚くぐらいの回復ぶりを見せた。
見た目はもう激ヤセではない。元通りだ。
酸素不足にもならない。それどころか、リハビリがてらに、あのカーニバルなフィリピン人のメイドさんたちと一緒に家の掃除をしてしまうぐらい。
……ちなみに、メイドさんたちと英語やタガログ語で話をしている場面もあったらしい。さすがハーフ。謎のヒンドゥー語も勉強してるし。