俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
クソヤクザって怒鳴られても文句は言えないぞ……!
だが、おじさんは。
「木嶋……それ、名案だ」
何故か、目をキラキラさせている。目から鱗が落ちたかのように。
「ちょっと、いろいろ交渉してみる……」
「え?交渉でどうにかなんの?誰と?閻魔大王?」
「二人ともやめぇぇ!そんな状況じゃないって言ってるのわかんないかぃぃっ!」
おじさんが何を思い付いたかは、さておいて。
おじさん、これから死に逝くというのに……悲壮感がない。
それは、おじさん自身もこの眠り続けた長い時間の中で、覚悟を決めていたのか。
それとも、こうしてみんなにお別れを告げる時間が奇跡的に出来たことで申し分なく思って満足しているのか。
それとも……自分のせいで、みんなが悲しむ顔を見たくないのか。
でも、やはり無念である状況には変わりない。おじさんだって心の奥底ではそう思ってるはずなのに。
そう思うと、たまらなく切なくなる。
しかし、なずなのウェディングドレスか……。
(……ん?)
この騒動があって、昨日のことなど忘れかけていた。