俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
戦場からようやく帰還して、ここに戻ってきた。
感動の再会を目の当たりにしているこっちも、胸に込み上げてくるものがある。
それは他の人も同じだったのか、パパ太夫はハンカチを取り出して目を拭いていた。
良かった……本当に、良かった。
不可能だと言われていても、心の奥底では、この時をどんなに望んでいたことか。
……例え、その先には直ぐに別れが待っていたとしても。
「……」
だが、菩提さんは。
直ぐに飛びついていったなずなとは違って、顔を歪めたままその場に立ち尽くしたままだった。
さっきの木嶋さんと一緒で、この奇跡の事態に少し混乱しているのだろうか?
……いや、なずなと同じように素直に感動を表せない理由が、菩提さんにはあったのだ。
おじさんの為だったとはいえ。
彼は、規律を破り、背いた。
「……さて、剣軌」
おじさんの弱々しい声が病室に響くと、菩提さんはガクンと肩を震わせている。
何も言えず、追い詰められた神妙な表情を浮かべていた。
「まさか、優等生の君が……随分と派手にやってくれたね?」