俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
昨日は、久々に肉も食べていた。
霊力も、完全回復に近い。
なので、人前に姿を晒しても大丈夫。
そういうことで、本日、忠晴の付き添いでこの試合会場に登場したわけだ。
これも一重に。
俺が毎晩、愛を注いだおかげ…。
…とは、言わないけど。
だが、その姿を発見したのは俺だけではない。
「……な、なずぽっ!」
声をあげて、一目散に駆け寄ったのは、マネージャーとして俺らの後ろを着いて歩いていた川村だった。
友人の顔を久々に見たからか、一瞬だけ自分の立場を忘れて駆けて行った様。
「おおっ!なずぽよだ!あいつ胃腸炎良くなったのか!」
野次馬として、チカが楽しそうに川村の後を追って行った。
……なずなは、胃腸炎で入院療養していることになっているらしい。
もう、二週間も登校していなかった。
「なずぽぉーっ!」
駆け寄ってきた川村とチカに、なずなは気付く。
名前を呼ばれて振り返ったなずなは「おっ!おつかれー!」と手を振って駆け寄って来た二人を迎え入れていた。