俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「しろ……しろう……」
おじさんが、肩で呼吸しながら必死に喋りかけている。それに気付いて、親父はバッと顔を上げた。
「俺は……よかったよ……」
「優……!」
「……みんなと出会えて、幸せだった……」
そして、おじさんの口角がフッと上がったような気がする。
こんな時でも、微笑む。
愛が溢れてるおじさんらしい。
「……士朗、美織ちゃん……柊斗……」
「優、何だ?!どうした?」
「優さんっ!」
名前を呼ばれた者たちは、一斉に身を乗り出して問う。
「……伶士……剣軌、なずな……」
おじさんが、ここにいる俺たちの名前を呟いて呼んでいる。
ひとつひとつに、愛を込めるように。
「みんな……love you……」
そのセリフを最後に、おじさん口角はスッと下がった。
そして、瞬きのように薄らと開いて閉じてと繰り返していた瞳もパタッと閉じられたのである。
何となく、わかった。フッと灯火が消えたかのように。
恐らく、意識が深い闇の底に……。
「優……逝くなっ!逝かないでくれぇぇ!」
「士朗っ?!」
「士朗さんっ!」