俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
親父もその最期の瞬間を悟ったのか。
同時に身を乗り出していたところを、傍にいた柊斗さんと母さんに手を張って制止される。
ベッドを挟んで向かいにいた俺もギョッとした。
こんな泣きそうになりながら、感情的に叫ぶ親父なんて……初めて見たかもしれない。
「頼む、逝かないでくれ!もう、もう我が儘など言えないことはわかってる!でも……でも、逝かないでくれぇぇっ!」
「士朗さん、ダメです!旅立ちは笑顔で見送ろうって約束したじゃないですか!」
「そうだぞ士朗!……優は頑張ったんだ!寂しがり屋なのに、一人でずっと呪いと戦って頑張っていたんだ……もう、楽にしてやろうよ……」
「ああぁぁっ……」
両側から二人に体を抱えられて、諭されて、親父は次第に勢いを失って、項垂れていた。
そこから嗚咽する声が漏れる。
他の二人も一緒で、三人で身を寄せ合って泣いているカタチとなっていた。
親父も、もうどうにもならないことだとは、頭ではわかっているんだ。
でも……。
三人で咽び泣いているところへ、なずなが呼び掛ける。
「しゃちょー、奥様、水口さん……お願い、手を握ってて……」