俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
驚きの展開のあまり、空いた口が塞がらなくなっていた。
じゃあ……おじさんとはここでお別れ。
そして、なずなも一緒に行くということは。
数日会えなくなるのか……。
「金沢にいる鈴代のおばあ様とは総本山で合流するみたい。そして、総本山で葬儀を行う」
「そうですか……」
驚きと不安で、少し俯く。
すると、また違う話題が上がるのだった。
「あと……リグ・ヴェーダの遺体は、我々警察が回収しました」
「あっ……」
そうだ。そっちの問題もあった。
展開が怒涛過ぎて、頭の隅に追いやられていた。
「こっちでいろいろ調べた後、御家族さんに引き渡す予定でいます」
「……家族?彼に家族が」
「ええ、実のお姉さんとおばあ様が。……両親は数年前に亡くなっておりますが」
「そうですか……」
この問題の渦中にあった、黒い翼の彼。
両親が亡くなってる……彼にも、壮絶なバックグラウンドがあって、現在に至ったのかもしれない。
いったい、どんな思いで今までの所業に至ったのか。
胸が痛むけど……本人がいなくなってしまってはもう、知る事はない。