俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「なので、僕もこっちでいろいろ忙しいので今回は札幌でお留守番です。……玲於奈、頼むよ?」
「了解デス」
それから、玲於奈は車の準備をするということで、この場を離れた。
綾小路さんも、スマホに着信があって何処かに行ってしまった。
何もできることのない俺はまた、一人取り残され、立ち尽くしていた。
……悲しむ暇もないくらい、忙しい。
それは目の当たりにして実感したけど。
(……)
……まだ、おじさんが傍にいるような気がする。
あの愛情溢れる、陽だまりのような笑顔で現れるような気がする。
のは、気のせいだろうか。
(……いや)
頭を左右にブンブンと振って、もしもの妄想は払い払う。
それは本当に気のせいだよ。
まだ、そんなに時間が経っていないんだ。
実感なくて当然だろう。
そんなくだらないことを考えてしまう自分に嫌気がさして軽く溜息をつく。
すると、目の前に現れたのは……菩提さんだった。
「伶士くん、ちょっといいかな」