俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
そして、辺りが一気に静かになる。
そんな中で、パパ太夫は俺に告げるのだった。
「士朗ちゃんの息子……アンタの話も聞きたいんだけどさ。悪いけど、今回はアンタを連れてけない」
「……」
「アンタがいれば、士朗ちゃんや美織がおもいっきり泣けない。……親っていうのは、子の前では強く在りたがる。そういうもんさ」
それは……何となくわかっていた。
さっき、また母さんが涙を見せた時から。
パパ太夫の話に、納得の意を見せるように頷く。
「……俺がまたあの店に行くのは、二十歳になってから。なずなと一緒に、です」
「おや、まあ……」
俺に対する不敵な笑みを残して、パパ太夫は背中を向けて立ち去って行った。
先に行く皆んなを見守るかのように、ゆっくりと。
その背中がとても印象的だった。
(……)
あの店で一夜を明かすために……悲しみを共有するために立ち去る皆んなの背中を、更に俺が見守る。
人によって、様々な思いを乗せたその背中を。
……この星空を見上げて、一人ひとり違う思いを、誰もが背負ったその背中を。