俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
《あんたがいつまでも見守ってくれてるって、ここの霞んだ空を見上げて都合良く勝手にあんたを思うよ》
……おじさんの逝く瞬間。
屋上に集まったみんなは、星空を見上げて何を思ったのだろうか。
一人、その場で空を仰ぐ。
建物、電線の隙間から覗く、夜の空を。
地に近いこの低い位置からは、街灯に邪魔されて多少ぼやけてはいるが。
本日は晴れていたからか、散りばめられた星がよく見える空だった。
……この星空を見上げて、みんなはどんな想いを抱えたのか?
切なさ、悲しみはもちろん。その先を想った人もいると思う。
菩提さんのように、前を向いて生きると決意した人もいただろうか。
それぞれ、想いはある。
絶望を感じた人も……いるんだろうか。
絶望?……それは、おじさんは望んでいないだろうな。
逆に、おじさんが知ったら悲しんじゃうと思うよ。
だから……出来るだけ、多くの人が前を向けるように。
希望を持って、これからも前に進めるように。
今だけはみんなで悲しんで、想いを共有して。
これからも、笑っていられるように。
……これは、パパ太夫の粋な計らいだ。