俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
なずなは、日本語が喋れず主に英語、たまにタガログ語で遠慮なく子供の俺たちにも話しかけていて。
瞳真くんと兄貴は、言葉が通じないなど大して気にせずに、なずなと遊んでいたらしいが。
俺だけは、通じないタガログ語を喋るという警戒心をなずなに持ってしまい、なずなのことを遠巻きに観察していたらしい。母さんの膝から離れずに。
「へぇー。そうだったっけ。全然覚えてないや」
「うん、俺も」
「母さんの膝から離れないとか、伶士らしいな」
「それはやめて……」
……おじさんが逝去してから、一週間。
夏休みの部活の後に、瞳真くんと二人。
みんなが捌けたグランドで、ベンチに座り、ただ空を仰いでいた。
なずなはまだ、戻ってきていない。
……瞳真くんに、今まで言えなかった話を打ち明けた。
音宮のおじさんのこと。
音宮のおじさんは、なずなの父であること。
そして、呪いのせいで身体が弱って死に至ったこと……先日亡くなられたということを。
……俺が脱一般人化してることなどは、伏せたけど。
親子関係に関しては「ふーん、やっぱそう」だなんてテキトーな返答だったが。