俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

なずなは、日本語が喋れず主に英語、たまにタガログ語で遠慮なく子供の俺たちにも話しかけていて。

瞳真くんと兄貴は、言葉が通じないなど大して気にせずに、なずなと遊んでいたらしいが。

俺だけは、通じないタガログ語を喋るという警戒心をなずなに持ってしまい、なずなのことを遠巻きに観察していたらしい。母さんの膝から離れずに。






「へぇー。そうだったっけ。全然覚えてないや」

「うん、俺も」

「母さんの膝から離れないとか、伶士らしいな」

「それはやめて……」





……おじさんが逝去してから、一週間。

夏休みの部活の後に、瞳真くんと二人。

みんなが捌けたグランドで、ベンチに座り、ただ空を仰いでいた。




なずなはまだ、戻ってきていない。




……瞳真くんに、今まで言えなかった話を打ち明けた。

音宮のおじさんのこと。

音宮のおじさんは、なずなの父であること。

そして、呪いのせいで身体が弱って死に至ったこと……先日亡くなられたということを。

……俺が脱一般人化してることなどは、伏せたけど。



親子関係に関しては「ふーん、やっぱそう」だなんてテキトーな返答だったが。

< 440 / 515 >

この作品をシェア

pagetop