俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
それは……違う。
「おじさん、俺……護衛されてわかったことがある」
「うん」
「俺だって護られるばかりじゃ嫌なんだよ。世界を護る救うなんてご大層なことは言えないけどさ。でもせめて、自分が大切にしてるものだけは、護りたい」
力の覚醒は、俺自身が望んだこと。
護られてばかりの無力な自分は、嫌だ。
大切なものを護る、その為に。
「そっか……」
そう言って、おじさんはふぅと息を吐く。
「伶士だって男の子だもんな。そりゃあ、好きな子には護られるより、護りたいよねぇ?」
「う、うん……」
「とは言っても、うちの可愛いなずなさんは一筋縄じゃいかないよ?親譲りの強さとじゃじゃ馬備わってるからねぇ?」
そう言って俺を見るおじさんの目は、いつの間にかニヤニヤとした冷やかしの視線になっている。
おっさんの若者への冷やかし。
ついつい恥ずかしくなって、照れ隠しに反論してしまう。
「で、でもおじさん!俺はなずなには笑っていてほしいんだ!……幸せにしたいんだよ!」
「何をっ?!やらん!……うちの可愛い娘は、おまえにはやらんぞ!」
「え?え、えぇっ!」
「いや、冗談。あはは」