俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
ガクッと項垂れる。
何なに?今の小芝居。ユーモアたっぷり?じゃないですか。
そうだ。おじさん、元来こんな人だったっけ……。
今も、いじられて沈没した俺のリアクションを十分楽しんだのか、腹を抱えて笑ってるよ……。
「うわははは。いやぁーそのリアクション、士朗そっくり。親子だねぇ」
「……そう?」
「うん、そう。あははは」
散々笑い散らかしているその様子に溜め息が出そうになったところで、おじさんが俺にスッと右手を差し出す。
いきなり手を差し出されて戸惑う俺に、おじさんはここ一番の笑顔を見せた。
「伶士。なずなを……みんなを、よろしく」
「おじさん……」
その一言を耳にして、少し切なくなった。
楽しい時間は、永遠とは続かない。
おじさんはもう……行ってしまうのだ。
だが、俺にはあの時からの違和感はまだ続いている。
「おじさん……言ってもいい?」
「ん?」
「俺、おじさんともう永遠に逢えなくなるっていうっていう実感がないんだけど」
「え?」
「なんていうか……うまく言えないんだけど。おじさんはいつも近くにいるような感じというか、何なのか」
「ぷっ……うわははは!」