俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
俺、頑張ってこの世界を駆け抜ける。
この先、何が待ち受けているかはわからないけど。
どんな困難にも立ち向かえるぐらい、強くなる。
大切なものは、この手でしかと護って、どこまでも駆け抜けてみせる。
ありあまる程の幸せ、この手で掴んでみせるよ。
「……だから、見ててね。おじさん」
おじさんは満足そうに何度も頷いていた。
そんなおじさんの笑顔を見つめたまま、差し伸べる手に自分の手を重ねる。
……互いの手を握り合った、その時。
パッと目が覚めて、現実に戻ってきた。
……と、いうことがあったのだ。
まさか、この夢枕。瞳真くんのところにまでお邪魔してるなんて、おじさんはマメだなぁ。
でも、そこがおじさんらしいと思わず顔が綻んでしまう。
「思い出し笑いか?スケベ」
「……ちょちょ、何でそんな風になんの」
「ははっ」
思わず、二人で笑い合ってしまった。
真っ直ぐな日差しを下ろす、太陽の下で笑えることの、幸せ。
その時、ベンチの上に置いといていたスマホがガタガタと震えていた。
「おい、電話鳴ってる」
「あ、俺俺」
笑いも落ち着かないまま手を伸ばすが、ウィンドウに記されたLINEの内容を見ると、笑ってる場合ではなかったのだった。