俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
俺たちの心の会話はさておいて、綾小路さんらと豹牙は話を続けていた。
「……目的、果たしましたか?」
綾小路さんの穏やかな問いかけに、豹牙は満足げにおもいっきり頷く。
まるで、心が晴れてスッキリしたかのように。
「おう。しかと見届けたで?……『黒翼』の魔力があの男から分解されるのを。あの黒い翼の魔力を悪用されるなんて、俺にとっては黙っちゃいられねえことだからな?あれを見て見ぬふりしちゃあ、あいつに顔向け出来ねえ」
「そうでしたか。ならばその『あいつ』には顔向け出来そうですね?」
「ああ。次に会う時までに、もっと強く、立派な神族になるって約束したかんな!」
意気揚々と語る豹牙の姿を見て、綾小路さんは爽やかにフッと笑った。
「僕も死後の世界で優さんに会うまでに、恥ずかしくない生き方していかなきゃなぁ……」
そう呟いて、またフッと笑っていた。
その横顔は、何かに吹っ切れたかのように清々しかった。
「そういや伶士くん、橘社長は大丈夫ですか?お元気ですか?」
「は、はい……表面上はいつもと変わらない感じですが……」
ーーーそれぞれが、前を向いて歩き出す。