俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
『親より先に死ぬとは!……この親不孝者ぉぉ!』
おじさんの母は、現れるなり横たわるおじさんに向かって、そう叫んでビンタを張ったそうだ。
……ご遺体にビンタ?!
なずな祖母は、相当過激な御方のようだ。
それに加えて、息子が亡くなったというのに、そう感情的なセリフを吐いても涙ひとつ流さないその姿に、見ていた二人は一抹の恐怖を感じたという。
その話を聞いた綾小路さんは「ああぁぁ……華琳大師範は最凶おばあちゃんですから……」と、顔を引き攣らせていた。
最凶おばあちゃんと綾小路先生は師弟関係なので、その人となりを綾小路さんはご存知のようだ。
そんな最凶おばあちゃんも加わり、葬儀はしめやかに行われた。
葬儀が終わると、総本山の敷地内で埋葬。
呪いが僅かに残された特別なご遺体は、術陣にかけられながらというセオリーに乗っ取らない方法で埋葬された。
……さて、葬儀が終わったのだが。
なずなと菩提さんには総本山でやることがたくさん残されている。
「今回の菩提くんが魔界に出入りしていた件と、冥王の血液で魔族化を図ったことは、査問委員会に掛けられることになりました」