俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
もしもの展開に、心中がザワザワしてきたのは、言うまでもなかった。
別れて家から出て行ったとはいえ、血の繋がった母親だ。
ずっと会っていなかった、母親。
会いたい、話したい。……一緒に暮らしたいとかいう願望だって、無きにしも非ず。
もしかしたら、なずなが日本を出て行く、ということがあるかもしれない……!
そうしたら、俺たちは離れ離れになって……。
(……)
まだ、そうと決まったわけじゃないのに、気持ちが沈んで落ちていく。
本人の口からそう聞いたわけじゃないのに、カタチのならないもしもの未来に、考えがよからぬ方向へと向いてしまう。
なずなと離れ離れになるかもしれない。
傍に……いられないかもしれない。
当たり前だった日々が、無くなるかもしれない。
『絶対戻ってくるって、信じてる』
あれだけ心に掲げていた決意なのに。
『母親』という存在の前では、見事に呆気なく脆く崩れ落ちているような気がする。
血縁という絆には勝てる筈もないからだ。