俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
それから、神威さんと星砂さんも戻ってきて、帰還した二人との久々の再会を果たす。
神威さんらに向けて同じ話が繰り返されるが、何度聞いてもやはり……気分が沈んでしまうものだ。
意識がよからぬ方向に囚われ、話も上の空になってしまう。
「わん!」
だが、甲高く可愛らしい犬の咆哮で、ハッと顔を上げる。
気付いたら、足元に白もふのぽめ。
続けて、俺に「わんわん!」と吠えてから、膝にピョンと飛び乗ってくる。
なんだなんだ、れえしどの。
しけたツラしてるぞー。
……うっせぇっつーの。こっちはそれどころじゃねえんだよ。
もしかしたら、なずなはフィリピンに行ったまま帰ってこない可能性だってあるんだ。
ひょっとしたら、会えなくなってしまうかもしれないんだよ。
なずなだって、母親が恋しいに決まってる。ずっと会えてなかったんだし。
心の中でそう呟き、ふんっと突っぱねる。
だが、ぽめは《やれやれ……》という言葉を被せて「キューン」と唸って、俺の顔を覗き込んできた。
れいしどのは、おもいがいっぽうつうこうなんだな。