俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
さっきのメソメソなずなは何処へやら。
一瞬にして消し飛び、いつもの強気なツッコミが現れた。
それはとても聞き心地が良いが……今は浸っている場合ではない。
今は、それどころではないのだ。
「頭?……ブッ壊れてるよ!これから、ここから今、おまえに会いに行こうとしてるんだからなぁ?!……どこの空港だ!羽田か?成田か?関空か?中部か?!どこだ!」
『は?は?……んなことできるわけ』
「……どこの空港だって聞いてんだあぁぁっ!」
俺の怒声ともとれる張り上がった声に、ヤツの『ふぬっ……!』という、怯んだ声が漏れる。
『か、かっ、関空ですけど……マニラへの直行便』
「関空?よし、わかった。じゃあそこで待ってろ」
『……はぁ?』
「空港で待ってろってんだよ。俺が行くまで出国手続きすんなよ?……いいなっ?!」
『あ、ちょっ……』
何か言いかけてやがるが、電話は途中で切ってやった。
ここに留まってグダグダと話をしている場合では無くなったのだ。
……俺に会いたい?
ああ、いいよ。
俺が会いに行ってやる。……大阪まで!