俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「え?ホント?」
忠晴は頷く。
今すぐジェットを手配しろー!と、親父のように叫ぶつもりだったんだけど。さすが、うちの執事は仕事が早い。電話の会話の内容で察するなんて。
「ちょうど東京に戻る空のジェットが千歳にいるとのことなので、関西への行き先変更を手配しておりました。二時間足らずで準備出来るようです」
「わかった。行こう」
「仰せの通りに」
そうして、忠晴の運転で高速道路をかっ飛ばす。
忠晴のレーサーのような運転で、追い越し追い越しまくって、普段の半分ちょっとの時間で空港に到着した。
忠晴の言う通り、橘グループの私用ジェットが綺麗に準備されている。
なので、速攻乗り込み、速攻離陸。
飛び入りのフライトで、空港大混乱では?……そんなの知るか。金と権力でなんとかなる。
「伶士さま、到着まで二時間弱です。お飲み物をどうぞ」
「ありがとう」
機体も安定し、空を飛ぶ飛行機の中で、忠晴の用意したのむヨーグルトを手にしながら、俺はずっと考えていた。
到着したら、ヤツに何を言ってやろうかと。