俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「だって、おまえのその『不安』な思いは金じゃ解決出来ないだろ?だから、こうして俺が来たんだって」
「あのなぁ……」
俺の無茶苦茶金持ち論理に、なずなは顔を引き攣らせているようだ。
まあ、そう残念そうなリアクションするなよ。
俺だって、こんな無茶苦茶なこと、普段は絶対にしない。
動く理由なんて、限られている。
「……この全部はなずな、おまえのために」
たったひとつのその理由は。
なずなの心を護る、その為に。
……これは、隠しようのない想いだから。
恥ずかしげもなく、全部ブチ撒けて晒してやる。
何の根拠もないのに、何かを持て余しているようなこの想い。
放り出したいぐらい、すでに余って食み出しているぐらい、破裂寸前のようなこの想いを。
俺は、何も堪えたくはない。
「……で、俺に会いたかったの?会いたくなかったの?」
意地悪を込めて一言口にすると、顔を真っ赤にして、ふるふると歪ませるなずな。
怒って噛みついてくる……と、思いきや。
途端に、ヤツの顔は崩れた。
「……会いたかったよっ」