俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「でも……なずながそんな思いをしてるなんて気付けなかった俺も俺だしな……」
「……」
わかっていても、わかっていなくて。
同じ過ちを何度も繰り返して、その度に泣きを見ている。
「っていうか、こういう大事なことはさっさと教えろよ。そうすりゃもっと早く来れて、もっと一緒にいられたのに」
「……ごめん」
でもそれは、他の誰でもない……何物でもない大切なものを護りたいという気持ちだけはブレていなくて。
必死になってるから、だと思う。
自分が自分たる裏付けを探して、その想いを証明したいからなんだ、と。
この世界の中で、自分が生きているという証明を。
「……堂々と母さんに会ってこいよ。何の心配もない」
「……」
俺の腕に添えているなずなの手にキュッと力が入る。
不安が……滲み出ている。
「相手がどんな態度でこようが、関係ない。ケジメは必要だろ」
「うぅ……」
「それに、なずなの居場所はそこだけじゃない。……ここにも、ある」
「伶士……」