俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

なずなが母親と再会することにビビっているなら、その背中をどんと押してやろうと思っていた。

このまま会わないでうやむやになって生きていくより、区切りをつけた方が良いと思ったからだ。

それに、どんな結果になろうと、同じ空の下。わだかまりを抱えてうじうじと生きているよりも、すっきりこざっぱりしてからこの先を考える方が絶対良いに決まってる。

……これは、大多数一般論の話ではなく、俺の経験上の話。

そういえば、親父らに対するわだかまりを解いてくれたのは、なずなだったよな?



なずながあの時背中を押してくれたから、今の俺がいる。

だから……俺もその背中を押してやりたい。




……大丈夫。

尻込みしてしまうぐらい高い壁も、肌が擦り切れそうな荊の道も、乗り越えられないと決まったわけではない。

案外すんなり行けるかもしれない。

いや、なずななら大丈夫だ。

これだけじゃじゃ馬で強い女だ。ちょっとの勇気で、あと一歩の踏ん張りで切り抜けられる。

ほんの少しの不安で、心が足止めされてるに過ぎない。




「だから、不安がってないで行ってこい。俺はここで待ってる」

「……」

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