俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「あぁ、あれはですね……壱丸屋会長のSPでございます」
「は……」
「伶士さま。こちらに壱丸屋会長がお見えになっております」
「……はぁっ?!お祖父様が?な、何でっ!」
「伶士さまが私用ジェットでこちらに来ることを、どこからか聞きつけたのでしょう。孫のことになると、あの御方の嗅覚はハイエナ並みになりますからね?……会長は、奥の特別ラウンジで伶士さまをお待ちになっておりますよ?」
「えぇっ!そ、そんな突然?!こ、心の準備が!お祖父様に会うなんて!」
「ええ。壱丸屋会長のお相手は橘の大旦那様よりさぞかしねちっこく……ごほん。さぞかし大変でしょうが?さあ、伶士さま。頑張って下さい?」
「いや、ちょっと!」
あぁ……藪を突いて蛇を出すとはこのこと。
まさかここで、あのお祖父様に会うことになるなんて。
なずな……まず、俺が先に頑張らねばならないようですよ。
ああぁあ……。
突然降って来た試練に肩を落としながら、俺は忠晴に案内されて足を重く進めるのでありました。
そんなのもお構いなしに。
真夏の空は、清々しいほど青かった。