俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

そんなフィリピンからの写真を、親父や母さん、忠晴。ペンタグラムに来ていた綾小路さんや風祭さんにも見せた。

みんな揃いも揃って欠かさず『遠足?』と、思わず突っ込んでしまう。さすが。



……いつ帰ってくるか?



それに関しては、敢えて聞かないようにしている。

聞いたとして答えが曖昧だったとしたら、俺も寂しくなっちゃうんだよ。

それに、幸せそうなこの写真らを見せられると、なずなが幸せなのならどこにいても構わないのだと思った。

同じ空の下なんだから。

まあ……あまりにも帰ってこないとなれば、俺がフィリピンに会いに行ってしまうかもしれないけど。





……そうそう。綾小路さんから聞いた話だけど。

黒い翼の彼のご遺体は検死の結果、目立った外傷もないので、結局心臓麻痺みたいな診断で閉められたようだ。

現場の様子から、廃墟に一人身を隠していて、そのまま孤独死したという状況も加えられて。



事実の捏造は良くないのだが、時にはその方が幸いなこともある。

……ご家族にとっても。
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