俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
登場するなり、テンションの高く一人で勝手に笑ってるこの男は、一年の雪村。
本日、瞳真くんは部への残留を掛けた大学の推薦入試があるため、不在。試合に出られないのだ。
なので、瞳真くんの代わりに抜擢されたのが、この後輩。
俺と同じくクラブチーム出身で、選手としてはなかなかなのだが。
「ふふふふ。そういや鈴木さんが言ってましたよぉー?橘パイセン、彼女がフィリピンから帰ってこないからロンリーでおセンチだし、禁欲生活でムラムラ……ぷぷぷ」
「……」
性格に、難アリ。
チカ系(?)なのだ。
チカのヤツ、余計なことを雪村に……盛るな!
確かにロンリーおセンチですが、禁欲云々はわざわざ言うんじゃない。
同じ類の人種なのか、この雪村はチカの一の子分のようになっている。めんどくさ。
チカのようなゴリラとは違って、雪村はそこそこ爽やかイケメンなのにな。残念。
「……雪村」
「はい!親分!」
「……」
親分って何?おまえの親分、チカだろ?
じゃなくて。
「雪村おまえ。相応の仕事しなかったら、殺すぞ……」
「え、えぇぇっ!なんでそんな殺気モード?!水口さんの相応の仕事?!何点入れなきゃダメすか?何で怒ってるんすかぁぁぁ!」
「……」