俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
そんな前置きもあり、試合開始。
なのだが。
「なんか、今日の応援、騒がしいっすね……」
「……」
雪村がそう呟くのは、言うまでもない。
その言葉の通りだった。
「フッフー!ハシレハシレ、レイシサマー!」
「フレーフレー!ガンバガンバァー!」
「シュート!シューートォー!バースケットボォール!!」
フッフー!って、チカいる?
いや、あいつはゴール前にいるよ。
しかも、競技間違えてない?
ではなくて。
……本日、うちに出入りしている出稼ぎのフィリピン人メイドのおばちゃんたちが、俺の試合が見たいということで、母さんが連れて来ちゃったのである。
狭い応援席で、常時スタンディングオベーション。手を振り回してジャンプして、声上げて歌って踊る踊る。
隣にいる応援要員の部員らも、ドン引き。
フィールドにいる俺たちも、ドン引き。
「うわぁぁ……相変わらず、あなたに会えた幸せ感じては風になりたがっちゃってるな?あのおばちゃんたち」
「厚別なら別にいいんだけどな?ここ、設備がめっちゃしっかりしたただの高校グランドだし」