俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「オー!ナズナサン!ナズナサンヨー!ワレラガドウシーー!!」
「maganda!!……ナズナサァーン!!」
一瞬静かになったものの、それが溜めとなったのか、おばちゃんらは噴き出すように雄叫びをあげて、盛り上がってしまった。
だが、突然現れたなずなは、「は、はぁ?…… manahimik ka!」と、首を傾げながらもおばちゃんらを宥めている。
そして、わからない言語を発しておばちゃんらに説明をし、おばちゃんらはうんうんと頷きながら耳を傾け「OK!OK!フー!」と腕を振り回していた。
え?タガログ語?タガログ語だと言うこと聞くの?
……いやいや、そうじゃない。今の問題。
ヤツが。なずなが……いる。
ここに。
メイドのフィリピンおばちゃんたちに囲まれて。後ろには、母さんと忠晴もいる。
茶髪のゆる巻きヘアに、まつ毛バサバサのギャルメイク。
黒のショートパンツから伸びる足。
紛れもなく……。
(なずなだ……)
あまりにも突然の登場に、胸が、ドクドクと波打って震えてる。
後追いで感動もやってきて、暫し声を出すことも忘れていた。