俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
待っていた。会いたかった。
……そう、信じてた。
ただその姿だけを視界に入れたまま、ただその場に立ち尽くす。
なんとも言えない感動がじわじわと静かに込み上げていた。おかげで胸の中が熱い。
そうしていると、お互い視線が重なるのも偶然ではない。必然。
「おっ」
「あ……」
互いが互いの存在に気付き、視線がひとつの線になる。
口をパクパクさせて出てこなかった声が、ようやく言葉になろうとしていたが。
「伶士、ハーフタイム終わるぞー!」
「あっ……あぁ、うん」
戻らなくてはならなくなり、言葉が喉の奥で止まってしまった。
しゅんとしながら、渋々戻る。
変なカタチであれ、ようやくなずなに会えたのに……。
諦めきれず、後ろ髪引かれるようにチラッと振り返ってみると……なずながずっとこっちを見ていたのか、また目が合った。
そこには、変わらないあの不敵な笑みで、口がパクパクと動いてるよう?
俺に向かって何か訴えているようだ。
(……)
何を言ってるか聞こえなかったが、内容はわかったような気がした。
答えるように頷いて、駆け足でベンチに戻る。
今の俺には、十二分な一言……。
『がんばれ!』